福本 基のプロフィール
うらないし(占医師)福本基 – Fukumoto Motoy –
1979年 東京都生まれ ハタチまで京都で育つ
医療占星術師 / 精神科医 / 公認心理師 / 抗加齢医学会専門医
医師としての診療の傍ら、株式投資を行う。どうしても勝つことができず、悩んでいた時に、レイモンド・A ・メリマン氏の「相場サイクルの基本(投資日報社)」及び山中康司氏の「金融占星術入門(パンローリング社)」を読み、占星術の勉強を始める。
当初の目的は相場で勝つためであったが、占星術に関する著作を幅広く読んでいるうちに幅広い分野で応用可能であることに気づく。
その後、伝統的占星術と出会い、学びを深める。
現在はその魅力を伝えるために、後進の指導とともに著作やセミナー活動を行なっている。
私は医師国家試験を合格して研修医の後に博士課程で研究していました。
実験結果に基づいてデータを蓄積して論文にする、そんなこともしていました。
そう、かつて私は、占いなんて全く信じない現実主義者だったのです。
そんな私と占いの出会いがどのようにであったかを書いていこうと思います。
占いとの出会い
医学部に入ればモテるのかなぁと漠然と淡い期待を持っていましたが、そんなこともなく、学部時代は留年した以外は代わり映えもしない人生でした。
卒業後、既定路線で研修医になりました。
「ブラックジャックによろしく」でも有名になりましたが、研修医時代はかなりしんどかったです。朝から翌晩まで36時間労働、上司に怒鳴られる、オペ室ではバイキン扱いなんてことも良くありました。
「こんな生活していたらそのうち死んでしまうなぁ。こんな一生は嫌だ!」と思っていました。
特に、入院患者を常に受け持っていて、24時間いつでも電話がかかってくるというプレッシャーに押しつぶされていました。
いつでも病院に行かないと駄目なので、生活圏が病院から30分以内より外に出られない状態が続いていました。
普通の神経なら頭がおかしくなりそうです。
でもモンモンとしても仕方がない、何かセミリタイヤする方法はないか?と本屋をあさりました。
ご多分に漏れず、あのロバート・キヨサキ氏の大ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん(筑摩書房)」を見つけました。
これを見て、不労所得を作らねば!と思いました。
ロバート・キヨサキ氏はビジネスと不動産投資家を勧めていましたが、医師でビジネスというのはちょっと難しい。
そこで、株式投資から始めました。
何が良いかもよくわからなかったので、とりあえず、図書館に行って興味の惹かれる本を選びました。
もう忘れたのですが、中国株の本でした。
今から考えれば、アホみたいな内容だったのですが、それを真に受けて投資をスタート。
最終的には、サブプライム危機で車一台分くらい損失を出しました。
これではセミリタイヤどころじゃない・・・。
またまた、これではイカン!とあれこれ調べて出会ったのが、レイモンド・A ・メリマン氏の「相場サイクルの基本(投資日報社)」。
平たく言いますと、「相場には波のようにサイクルがあって、一定の周期で底をつける。そのタイミングを利用して、底で買って天井で売ろう」というものです。
相場をしているとなんとなく周期があるとはわかるのですが、言葉で定義されていたのがとても新鮮でした。
これはスゴイ!と熟読すると、「サイクルは全体的な戦争で、ジオコノミックスは局地戦のようなものだろう。(中略)ジオコノミックスはそのストラテジーを実行する最適の時間と場所を正確に教えてくれるだろう」(P.95)との下りがありました。
「ジオコノミックス(占星学)だって? こんなものが役に立つのかなぁ?でも、勉強しろと書いてあるし・・・なんだかよくわからんけれど、藁をもすがる気持ちで勉強してみるか!」
といった 軽い感じで占星術の世界へ足を踏み入れてみたのです。
勉強をするにも、メリマン氏の相場アストロロジーの基本も、その訳者の皆川弘之さんのファイナンシャルアストロロジーも絶版でした。
唯一手に入ったのが、メリマン氏のフォーキャストブックだけ。
フォーキャストブックとは、メリマンさんが、どのような年になるかを毎年予想している本です。
「とりあえず、これから読んでみるか・・・」と
読み始めたものの、さっぱりわかりません。
星座がどうとか惑星がどうとか書いてあるのですが、頭の中には幼少期のゴールドセイント(聖闘士星矢:黄道十二宮)しか出てこない。
しかし、救いだったのが「重要変化日」というものが書いてあることでした。
重要変化日とは、決まった星同士の角度が地球から見て0度とか120度とかになる日のことです。
メリマン氏の研究によると、「占星学的にはここの前後3日以内に相場が反転する確率が極めて高い」ものでした。
「ほんまかいな?」とはじめは疑っていたのですが、意外と当たっているようでした。それが、私と占星学との出会いでした。
占いで感じた問題
「占いって思ったよりも科学的なんだな」というのが正直な感想でした。
ただ、その当時は、占星学=統計学とかカレンダーみたいなとらえ方でした。
これは本格的に占いの勉強をしたほうが良いのではないか?と思うようになりました。
とはいえ学生時代に、興味があって本でタロット占いを勉強したことがあったのですが、さっぱり占えませんでした。
ですから「習うなら誰かに教えてもらわなきゃいけないよな」、と考えました。
そこで、インターネットで検索したら、色々講座が出ています。
その中で近くのカルチャーセンターの講座があることがわかりました。
当時は占いにまだまだ偏見を持っていて、カルチャーセンターなら、「よっぽど変な勧誘はされないだろう、ということでタロット占い講座に申し込みました。
開講当日に行ったところ、周りはみんなマダムで、男は自分だけという状況。
こっ恥ずかしい状態でしたが、先生の指導通り勉強していきました。
それはそれで楽しい日々だったのですが、重要なことが全く解決できていませんでした。
それは「相場でどうやって勝てるのか?」ということでした。
占いが株式投資に使えるのではないかという期待は、占いには科学には出来ない重要なことを扱っていたからです。
それは未来のことです。
科学的な将来予測というものがありますが、それは未来そのものをズバリ探っているわけではありません。
こうなる確率が高いという言い方で、詰まるところは確率の話しかできない。
ところが、実際問題、ヒトの悩みって未来のことですよね。
ところがその占いにも問題がありました。
それは未来に関してほとんど当たった感触がないということです。
例えば、性格占いにしても、どの星座の特徴を持ってきても自分に当てはまります。
魚座の性格として、「あなたは優しい人です」と書いてあります。
しかし誰もが、家族・恋人・友人・子供の誰かには優しい一面を持っているものです。
また、日々の運勢が毎日当たっているでしょうか?
「良い結果の時だけ信じる」、という人が多いと思います。
そうその時感じた一番の問題は、白黒はっきりつけてほしいです。
極端に言えば、どの株式をいつどれくらい買えば儲かるのか?
そんなことにはなんの回答も出来なかったのです。
むしろ、確率で語る科学のほうが当たっているところが大きいかもしれません。
やはり、はっきりとした結果を当ててこそ占いは役に立つのではないか?
そして、かつての西洋占星術はそのようなものと多くの本には書かれていました。
そう、ケプラーやニュートンといった科学者ですら占星術を生業としていました。
そのような偉大な科学者たちが、果たして曖昧なものに満足していたでしょうか?
迷走の後の出会い
私には、とてもそうは思えませんし実際に違いました。
少し昔の占星術の書物を開けば、色々な面白い症例が出てきます。
- 私の商船は無事に帰ってくるのでしょうか?
- 意中のあの人とうまくいくには、どうすれば良いのでしょうか?
- 私の病気は薬の副作用なのでしょうか?
- 盗まれた聖杯はどこにあるのでしょうか?
- 私の元から逃げていった徒弟は、どこにいるのでしょうか?
などなどです。
これらの質問に、恐ろしい程クリアに答えています。
例えば商船の質問に対しては、このように答えています。
「船の前の方が壊れて漏水してしまったけれども、
修理は無事に終わり、こちらに向かっているところです。
いついつ頃には、戻るでしょう。」
「昔の占いとは、このような物だったのか・・・」
あの時のような驚きは、もう二度と無いかもしれません。
そしてわかったこと。
現在残っている馴染みのある占星術は、現代占星術という名前で呼ばれているもの。
昔ながらの占星術は伝統的占星術というもので、それとは全く別の西洋占星術だということです。
そして未来へ
紆余曲折がありましたが、運良く私は二人の先生との出会いがあり、直接学ぶ機会に恵まれました。そのおかげで、今でも楽しく伝統的占星術を続けることが出来ています。
伝統的占星術でははっきり答えが出るので、占う方としては読み方が合っているか間違っているかが突きつけられてきつい部分があります。
でも、それこそが本当にホロスコープに向き合うことではないかと思います。
正しいのはホロスコープであって、占いが外れるのは占い師の力量が足りないから。
外れるのは心がきついですが、そのことを謙虚に受け止める修行になるのも伝統的占星術の良さだと思います。
もちろん、バッチリ当たった時は、きちんと天の意図を受け取れたという満足感がありそれもまた良さです。
このような良さを広めていき、伝統的占星術にふれる人に楽しさを広めることが私の使命だと思っています。